2010/07/25

なぜ、郵便局の労働現場の監視カメラだけが撤去されるのか?

企業の現場で、「監視カメラ」を使った過剰な“労務管理”が猛威をふるっている。職場に設置されたマイク付き監視カメラを遠隔操作、社員に逐次「雑談を止めなさい」、「しっかり働きなさい」とアドバイスするコンサルタント会社が“売上”をあげている。

まさに、勤労者を「社畜」化し、あるいは「奴隷工場」を地で行くような労務監視が横行しているわけだ。“IT技術の進歩”、“成果”とは言ってられない!!

郵便局もこうした労務監視の例外ではなかった。2007年の郵政民営化の頃に、全国2万4千局のうち、特定郵便局を中心に約1万8千局に「監視カメラ」が設置された。「防犯+職員の働きぶりの監視」をねらいで、設置費用は約700億円かかったという。

こうした“労務監視”に“待った!”をかけた政治家がいる。昨年9月の民主政権誕生後、全国郵政局長会(全特)の要望を受けた国民新党やみんなの党に所属する政治家である。

“郵政”の監視カメラ問題に積極的に取り組んでいるは、みんなの党の柿沢未途衆議院議員である。

柿沢議員は、『郵便局の「間仕切り」及び監視カメラの撤去に関する質問主意書』(2010年4月1日)を総理大臣あてに提出している。4月9日に総理大臣が回答した「答弁書」では、「一部に不適切な配置があったことにより労働の過剰監視につながり職員の士気を失わせるなどの弊害が結果としてあった」と、監視カメラなどの設置について問題があったことを認めている。(http://www.310kakizawa.jp/rinentoseisaku.html)

自公政権下ですすめられた郵政改革、その一環として設置された監視カメラは、特定局長や職員にはきわめて“不評”であった。

雇用主側の日本郵政グループは、政権交代など“政治の動き”に過敏だ。国民新党などからの撤去要求が出ると、“政治の暴風”を避けるために、監視カメラの撤去をすすめた。撤去費用は、何と総額で32億円にも上るという。

この郵政向けの「公共工事」に投じられた巨額な資金の「ムダ遣い」はおとがめなし。一方、ITハイエナ企業にとっては、設置しても、撤去しても、棚ぼた利益につながる。彼らには「ムダ遣い」自体が“おいしい話”なわけだ。住基ネットや住基カードなどと同じである。

国民新党やみんなの党の姿勢はプラス評価に値する。だが、問題は、政治が問うた監視カメラが、なぜ「郵便局だけ」なのかである?

監視カメラを使った過剰な労務監視は、一般企業にジワリじわりと広がってきている。カメラを使った過剰な労務監視は、“働く者の精神を蝕む”。労働者保護諸法や人権保護上、禁止されて当然である。

政治が、集票力のある、あるいは力の強い労働者だけを護るのではバランスを欠く。これが「政治主導??」の“実際”だとしたら、庶民の政治離れはますます加速するに違いない。

市民派を標榜しながら、「市民を守る」という“歌を忘れた民主党”は、役人の手足・ゲシュタポとなって共通番号【国民背番号】の導入、国民ID【国民登録証】カードの導入、大衆増税を叫ぶだけ。これでは、自民などと同じで、“存在根拠なし”。国民の厳しい裁断が下るのは当り前だ。

郵便局の労務管理用の監視カメラ撤去の動きが出てきている今が“名誉回復”のチャンスだろうに。民主党は、この“芽”を育て、カメラを使った不当労働行為にもつながりかねない労務監視サービスを売るIT企業や、監視カメラを活用して過度の労務監視を行う企業の“営業に自由”に歯止めをかけるべきだ。

家族や自分を護るために職場の労務監視カメラの前で「社畜」を演じることを強いられている一般サラリーマン・OLの“働く権利”を護り、職場環境の改善につなげる気はないのだろうか??   「監視カメラを働く者が監視できるシステムつくり」が緊急のアジェンダである。

政党の“日常活動”とは、こうした虐げられた人々に支援の手を差し伸べることからはじまる。議場で居眠りしている議員、強い役人や企業などと組んで弱い虐げられた庶民を放置する給料泥棒のような議員、「こんな連中こそ、カメラ監視が必要だろう!!」

Big Brother