2024/01

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2024/01/31

コンビニでの住民票の紙交付でデジタル化?のフェイク

名古屋市の河村たかし市長は、1月22日、マイナバーICカード(マイナICカード)を使った紙の住民票のコンビニ交付サービスを導入するとアナウンスした。

市民が、コンビニにマイナカードを持参して、紙の住民票の交付を受ける。これが、国が進めるデジタル化の一環? 冗談ではないか? フェイクではないか?

そもそも、「電子政府/電子自治体サービスには、『官製ICカードを使わない』のが世界の流れ!」である。アメリカ、カナダ、オーストラリア、EU諸国などでは、もはや官製ICカードは使っていない。今や「市民は、電子政府/電子自治体サービスは、“スマホ”でやり取りするのが世界の常識だ!」からだ。ICカードは、スマホには不都合だ。クレカ(クレジットカード)もスマホに直接格納/装備する時代だ。

ところが、わが国の電子政府/電子自治体モデルは、「パソコン(PC)+官製ICカード+ICカードリーダー」の3点セット。このモデルは、時代遅れ、ガラパゴス化している。

名古屋市は本気で電子自治体を目指すつもりなら、住民票のコンビニ交付サービスのような血税無駄遣い、国の邪道なデジタル化に加担してはいけない。市民がスマホで市役所のポータルサイト/デジタルプラットフォームに直接アクセスし、市が住民票の提出先に直接電子住民票データを送る仕組みにしないといけない。

名古屋市はこれまで政令市で唯一、住民票のコンビニ交付サービスを導入していなかった。頼もしいと思っていたのだが。総務省の軍門に降ったの感が否めない。

河村市長は、政策変更(転向)の動機として、1月22日から全国の一部コンビニで、マイナンバーカードの機能を搭載したスマートフォン(スマホ)で住民票交付が可能になったことをあげた。河村市長は「カードを持ち歩かなくてもよくなり、巨大な一歩」と持ち上げ、住民票のコンビニ交付サービスの導入を決めたとしている。ただ、早くて2026年度中の導入になるとのことだ。24年2月の市議会に関連予算案を提出するとのことだ。

転向の背景には、市民からはコンビニ交付を可能にすべきだとの苦情が相次いでいたことがあるようだ。こうした苦情は、市議会の自民など総務省喜ばせ組によるグループ活動の結果なのかどうかは定かではない。

いずれにしろ、市民に「電子政府/電子自治体サービスには、『官製ICカードを使わない』のが世界の流れ!」と説明しても、ほとんど理解されない。市民も“横並び自治体大好き”。とりわけ、住民票発行のような分野では、大本営発表(総務省)を信じて疑わない市民が多い。先の侵略戦争が、止まらない、止められないエビ戦(煎餅)のようになってしまったのもフェイクを信じてしまった皇民にも原因があったのだが・・・。

マイナ保険証、事業者登録番号を使った消費税のインボイス制度等々・・・。国の役人がデザインした監視社会化/ビッグブラザー化プランは検挙にいとまがない。政治家も、もはや監視の対象外/治外法権ではありえない。自分らがビッグブラザーの監視対象にされないで使えるカネの確保に必死のありさまだ。政権政党所属の国会議員が、久しく役人社会主義に加担してきた当然の帰結ではないか?

ムシロ旗のマイナ反対市民運動も、政界に独自の橋頭保を確保する力量がないのは明らかで、もはや勝負にならない。

スマホネ―ティブ【スマホで育ってきた世代】が主役になる時代は間近だ。いずれスマホのよる電子住民票交付サービスに移行せざるを得まい。“マイナICカードを使った住民票のコンビニ交付サービス”が時代遅れ/ガラパゴス化するのにはそれほど時間がかかるまい。

市民を食い物にしたIT企業と国の役人が結託した血税浪費のデジタル化プランが止まらない。データ監視で常時人権侵害は当り前の政策では、市民を幸せにできない。

政治は、カナダにならって、「マイナンバー制度が、国民総背番号制度にならないように法的規制をかける!」姿勢を明確にしないといけない。でないと、この国は、データ監視は当り前、中国型の権威主義国家に変容するのを防げない。

2024/01/22

デジタル化に遅れた共通番号(マイナンバー)制度反対運動再興の課題

庶民のカネや財産は共通番号(マイナンバー)制度で監視するのが当り前。一方で、政治のカネや財産の番号管理はしない。不透明で、やりたい放題。こんな庶民感覚を欠いた、不公正で無責任な政治の実態が露わになり、国民・納税者はあきれている。

政治家がイヤなものは庶民も嫌なのが分からないのだろうか?役人主導、IT企業と結託した血税浪費のデータ監視国家構想を放任する政治は、民主政治とは相容れない。国民のプライバシーを大事にしない権威主義国家は要らない。

わが国の共通番号(マイナンバー)制度には、次のような大きく3つの狙いがある。

  1. 国家が居住者全員に12ケタの個人番号を振り、現実空間での税・社会保障業務でのリアルID(本人確認)に使うこと。

  2. ネット空間に展開される電子政府/電子自治体(e-Gov/マイナポータル/マイナプラットフォーム)における税・社会保障業務で、“電子番号”ともいえるICチップ(電子証明書の符号)を官製デジタルID(本人確認)に使うこと。

  3. マイナンバーICカード(マイナICカード)、つまり、顔写真つきの国民登録証(公定身分証明書/国内パスポート)の携行を求めること。

デジタル化(DX=デジタルトランスフォーメーション)が急激だ。経済取引はもちろんのこと、国や自治体の税・社会保障業務が、従来の目に見える「現実空間(リアル空間)」から、目に見えない「ネット空間(デジタル空間/オンライン空間)」にまで大きく拡大している。

ところが、共通番号(マイナンバー)制度反対運動は、デジタル(DX)化の大津波に押し流されてしまっている。

共通番号(マイナンバー)制度反対運動のガラパゴス化・陳腐化は残念だ。所詮、デジタル大嫌いな市民によるムシロ旗運動だから仕方ないのかも知れない。

  1. 「官製のデジタルID」の民間分野への汎用/拡大利用の危険性については、ほとんど斬り込めていない。そもそも、「デジタルIDとは何か」がわかっていない。「官製のデジタルIDと民間のデジタルIDの違い」も分かっていない。これではサステナブル(永続的)な運動は至難だ。

  2. 生体認証式マイナICカードの使用のオンライン健康保険資格確認システム(Mシステム/マイナ保険証)」導入による位置確認・電子データ収容所列島化問題についても同じだ。市町村の救急業務にマイナICカード/マイナ保険証を使うプランも浮上している。こうしたプランは、民営化が進む救急業務、医師の守秘義務、刑法の秘密漏示罪(134条)などの視点からも大問題である。

街頭の監視カメラは問題にするが、もっと危ないMシステムに対してはほぼ無頓着である。“木を見て森を見ず”の感は否めない。

わが国の電子政府/マイナポータルでは、公開鍵(PKI)式電子証明書搭載のICカード(マイナICカード) を使う。だが、グローバルにみてもICカードを使う電子政府モデル(政府ポータルサイト)は、すでに時代遅れだ。ガラパゴス化(ガラ系化)している。なぜならば、このモデルでは、ICカード(マイナICカード) を取得しないと、国民は電子政府(政府ポータル)サイトにログイン(リモートアクセス)できないからだ。 

いまやスマートフォン(スマホ)やダブレットなどモバイル端末全盛の時代だ。モバイル端末には、ICカードやICカードリーダーは不向きである。

仮に公開鍵(PKI)式の本人認証のためのICチップを使ったデジタルIDの採用を継続するにしても、ICカード搭載ではなく、スマホに直接搭載するのが世界の流れである。

加えて、ICチップ(電子証明書)の有効期限が5年で、その都度ICカードを更新しないといけないのも、血税の無駄遣いだ。利便性もよくない。官製のデジタルID/マイナICカードの発行は止めないといけない。スマホに直接搭載し、スマホを持たない人には紙の通知カードをプッシュ型で交付することで十分なわけだ。大胆な発想の転換がいる。

わが国の個人(所得税)の電子申告(e-Tax)では、国税庁のポータルサイト(ウエブサイト)にログインする際に、デジタル ID として、PKI(公開鍵・電子証明書)式に代えて、ID・パスワード式の選択ができる。ということは、データセキュリティ評価の面では、PKI(公開鍵・電子証明書)式も、ID・パスワード式も変わらないということだ。

ところが、政府は、官製のデジタルID(PKI)を、税や社会保障のみならず、民間取引にまで自発的利用を広げようとしている。権威主義国家的な政策で解せない。市場主義を核とした民主制国家には似合わない。

アメリカなどのように、民間活力ファーストで、市場で磨かれた簡素なデータセキュリティのしっかりしたID・パスワード方式の民間のデジタルIDの活用に舵を切るべきだ。

また、人権ファーストの視点から、カナダのように、共通番号が税・社会保障分野以外に不要に拡大しないように法的歯止め策を講じないといけない。

国民・納税者は、共通番号(マイナンバー)制度を濫用したデジタルビッグブラザー(デジタル監視国家)を望んでいない。

共通番号(マイナンバー)制度反対運動は、デジタル(DX)化の大津波に耐えられるように、リスキリング(学び直し)が要るのではないか?